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ブログ : 院長ブログ: 2014年9月

予防?と治療?と機能回復?    藤沢 歯医者 あらやしき歯科医院

歯医者さんの治療で思い浮かぶことは何ですか?
むし歯を削る、歯ぐきのうみを出す、歯を抜く、などでしょうか?
最終的には、金属の詰め物・かぶせ物、樹脂の詰め物、入れ歯やインプラントで歯を作る、といったことをしますね。
 
詰め物、かぶせ物、入れ歯などは、道具であって「機能回復」の手段です。義足やメガネをイメージしてもらうと良いかもしれません。生体にとっては異物です。程度はさまざまですが、道具を使いこなすには、それなりの苦労やわずらわしさがつきものです。
 
むし歯を削る、根の治療、歯ぐきの痛みや腫れをとる、抜歯などは、細菌の感染源を除去する「治療」となります。虫歯も歯周病も原因となる細菌の感染によって起こります。

それでは「予防」はどうでしょう?
「治療」が必要なときは、痛い!腫れた!穴が開いてる!など、症状はさまざまですが、とにかく『つらい・困ったなぁ』という状況のことが多いでしょう。でも、痛い思いや歯を失うことは避けたいですね。
「機能回復」の道具は、使用しないと日常生活に支障をきたすので必要です。でも、できれば使わないで済んだ方が良いですね。
そこで、痛い思いや異物を使うといったつらい思いをしないで済むように、歯やお口の健康を生涯にわたって維持していくために「予防」処置・メインテナンスが重要なのです。
 
予防と治療と機能回復の関係性がなんとなくイメージできたでしょうか?
 
 
arayashiki dental clinic 001.jpg





コーヌステレスコープ義歯  症例 下の奥歯がなくて嚙めない!    江ノ電 鵠沼駅 入れ歯が得意な歯科医院

あらやしき歯科医院に来院された時は、
「左下のブリッジが折れてはずれたら、右下の奥歯がすごく痛くなって食事ができない」
という状況でした。
arayashikikonus001-1.jpg左下は金属製のブリッジが真ん中で折れてしまっています。
模型診査をした結果、噛み合せが悪く(スピーの湾曲が強すぎる)無理なちからが常に掛かっていたことによる金属疲労が原因だと思われます。
kougouwannkyoku.jpgのサムネイル画像 長いこと無意識ながら、金属が破断するほどの過大な負荷がかかっていたのでしょう!
arayashikikonus001-2.jpg左側のオーバーロードが解消されて、今度は右側の遊離端ブリッジに大きな負担が掛かり、右下の第一大臼歯が歯根破折しました。「痛い!」はこれが原因です。

遊離端ブリッジとは?
連結されたブリッジ本体の外側に力が加わる場合を遊離端ブリッジと言います。加わった力に近い方の支台歯は圧迫され、遠い方は牽引されます。
ブリッジに力(K)が加わるとP2を回転中心として、ブリッジ全体を傾斜させるような回転モーメントが生じます。P1には、Kに拮抗する力が生じます。
Prothetik 3-65 K.H.Korber.jpgテコの原理で、P1とP2の間の距離が長いほど必要な抗力は小さくなります。
Prothetik 3-66 K.H.Korber.jpgつまり今回は「支台歯間の距離が短いためにテコの支点となる歯が負担過重で壊れてしまった」ということです。

さらに模型の分析を進めると、
konus001-3.png左右の奥歯の高さが違っていることがわかります。体の軸に対して噛み合せの平面が斜めになってしまっています。
お口の中は、正面観だけを見るときれいで問題なさそうですが・・・
konus001-4.png
  •   下顎の左右の大臼歯がなくなってしまった
  •   下顎前歯のセラミックが欠けてしまっている
どこで噛めばよいのかわからない、顎の位置が安定しない状態になってしまいました。
「嚙めない・食事ができない!」の原因です。
 
診査・診断の結果を踏まえた話し合いによって、いくつかの入れ歯の種類の中から
「コーヌステレスコープ義歯による咀嚼機能の回復を行う」という治療計画になりました。

コーヌステレスコープ義歯
噛み合せの平面のアンバランスを解消し、全体がシッカリと噛むように作製します。
konus001-5.pngkonus001-6.pngkonus001-7.png  「ふらつかない・はずれない・何でも噛んで食べられる」ドイツ式の義歯が完成しました。
快適なつけ心地でしゃべると浮き上がるということはありません。しっかり嚙んでなんでも食べられます。
金具が見えないので、他者には入れ歯だと気づかれません。入れ歯を使っていることは、メンテナンスする歯科医師と患者様ご本人にしかわかりません。

初めての入れ歯ですが「食べられないものはない。食事で困ることはない」と、はっきりとした発音でコメントして頂きました。

咀嚼能力が低下すると食品多様性が低下し、タンパク質低栄養という栄養失調になります。その結果、フレイルが進行しサルコペニア・ロコモティブシンドロームという深刻な状況になりかねません。
何でも噛んで食事ができる状態に回復することは、全身の健康の保持増進にとても重要です。

AED(自動体外除細動器)について  藤沢市 あらやしき歯科医院

唐突ですが、今、目の前を歩いている人が突然倒れたらどうしますか?
心肺停止状態(心臓突然死)は、誰にでも、いつでも、どこでも起こる可能性があります。
          心臓突然死 約6万人/年
          交通事故死 約4千人/年
なんと、年間の死亡者数が、交通事故死のおよそ15倍にも及んでいます。
いつでも、どこでも、誰にでもそういう事態に直面する可能性があるのです。
突然心臓が止まってしまったら、一刻も早く胸骨圧迫を開始し、AED(自動体外式除細動器)を用いて、電気ショックをかける必要があります。
 
誰でもできる心肺蘇生
突然倒れ、反応も呼吸もない人がいたら、AEDを要請するとともに119番通報し、直ちに胸を強く圧迫(胸骨圧迫心臓マッサージ)します。胸をPUSHするだけの「誰でもできる心肺蘇生(そせい)」で救えるいのちがたくさんあります。
 
実際の手順を確認しておきましょう
【1】反応の確認と119番通報/AEDの要請
周りの安全を確認して近づき、肩をたたきながら「大丈夫ですか?」と声をかけます。反応(動きや返事)がなければ、大きな声で人を呼びましょう。119番通報とAEDを持ってくるように頼みます。
call 119 AED.jpg
「119番とAEDをお願いします」

【2】呼吸の確認と胸骨圧迫(心臓マッサージ)
倒れた人をあお向けにして、10秒以内に胸やおなかの動きをみます。呼吸がない、もしくは、普段どおりの息をしていない時は胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行います。
push chest.jpg

ポイントは「強く」、「はやく」、「たえまなく」
●強く…胸が5cm以上沈むまで
 しっかり体重をかけて押し下げ、すぐにゆるめます。
●はやく…1分間に100回以上のテンポ
●たえまなく
 倒れた人が動き出すか、救急車が来るか、AEDが届くまでしっかり続けます。





【3】AEDを用いた電気ショック
AED use.jpg
AEDとは「自動体外式除細動器」のことです。
人が倒れた直後、心室細動と呼ばれる不整脈(心臓のけいれん)によって、心臓がポンプとして働かなくなってしまっています。電気ショックを与えることで心臓のけいれんを取り除き、元の収縮を取り戻させるための機器です。
AEDは、心電図を自動的に解析し、音声や表示でガイドをしてくれます。落ち着いてAEDの指示に従って救命処置を進めてください。

kyumei.jpg

救急救命士が到着するまでがんばりましょう!









万が一、身の回りで突然倒れた方がいたら、ちょっと勇気を出して行動しましょう。
あらやしき歯科医院にもAEDがあります。
ぜひ、活用してください。

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