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ブログ : 院長ブログ: 2015年4月
顎関節症とは?症状と原因 ―お口が開きにくい・あごが痛い―
顎関節症とは
顎関節症の原因は
その症状から、耳鼻科・形成外科などの病院を受診される方も多いようですが・・・
実は、かみ合わせに原因があることが多いのです。
顎の運動と咬み合わせは、顎関節を支点とした3級のテコ運動でなければなりません。しかし、歯が支点となる状況が生じると1級・2級のテコが発生し、その人のその時の状態(歯や骨の強さ、筋肉の発達具合など)に応じて、歯そのものが壊れるか?・歯の周りの骨が壊れるか?顎の関節とその周囲の筋肉を痛めるか?ということが起こります。(咬み合わせ治療のページ参照)
咬み合わせのバランスが悪いと、どこかに大きな負荷がかかり続けて、いずれかの部位で疲労破壊が起こります。過負荷による悪影響の症状が顎の関節とその周囲に現れた状態が、ほとんどの顎関節症の正体です。
- 顎の関節付近や咬むときに働く筋肉に痛みがある
- 口を開いたり閉じたりしたときに顎の関節から音がする
- 口をまっすぐにまたは大きく開けることができない
顎関節症の原因は
その症状から、耳鼻科・形成外科などの病院を受診される方も多いようですが・・・
実は、かみ合わせに原因があることが多いのです。
顎の運動と咬み合わせは、顎関節を支点とした3級のテコ運動でなければなりません。しかし、歯が支点となる状況が生じると1級・2級のテコが発生し、その人のその時の状態(歯や骨の強さ、筋肉の発達具合など)に応じて、歯そのものが壊れるか?・歯の周りの骨が壊れるか?顎の関節とその周囲の筋肉を痛めるか?ということが起こります。(咬み合わせ治療のページ参照)
咬み合わせのバランスが悪いと、どこかに大きな負荷がかかり続けて、いずれかの部位で疲労破壊が起こります。過負荷による悪影響の症状が顎の関節とその周囲に現れた状態が、ほとんどの顎関節症の正体です。
あらやしき歯科医院開院までの道のり
私やあらやしき歯科医院について少しでも皆様に知っていただき、近しい存在になりたいと思い、大学卒業後からあらやしき歯科医院を開院するに至るまでの経緯を簡単にまとめてみました。これを機にさらなる努力を重ねてまいります。今後ともご支援とご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
大学卒業後の進路を考えたとき、私は「長持ちする予後の良い歯科治療を行うためには、歯の土台となる歯周組織(歯肉や骨)をしっかりさせる必要がある」という結論を出しました。そこで、母校である明海大学歯学部の歯周病学講座に所属し、歯周病治療について深く学ぼうと決めました。
明海大学歯周病学講座(現 口腔生物再生医工学講座 歯周病学分野)では、歯科診療とともに論文の読み書きの仕方や資料のまとめ方など、生涯学習していくための姿勢や歯科医師としての基礎を学びました。
大学病院の歯周病科には、近隣の歯科医院からの紹介で重度歯周炎の患者さんがたくさん来院されます。そんな歯周病科で一年を過ごし、実践的に歯肉の炎症のコントロールについて理解が深まってきた頃、毎日たくさんのレントゲン写真を診て、症例検討会の資料を作成する日々を送る中で気づいたことがありました。
それは、“極端に骨が吸収してしまっている歯とほとんど骨が吸収していない歯が混在する”さらには、“過去に治療した経験のある歯ばかりが極端な骨の吸収を起こして歯周病の状態が悪くなっている、反面、治療経験のない歯の周囲の骨はほとんど悪くなっていない”ということでした。治療したからこそ、歯にかかる力のバランスがおかしくなり、極端に歯周病が進行してしまっている。そんな歯がたくさんある。つまり、治療行為によって異常な咬み合わせにしてしまった歯科医師によって病気が生み出され、進行してしまっているということです。“同じ歯ばかり再治療の繰り返しで、加速度的に病気が進行している・他の治療していない歯に比べて明らかに歯の寿命が短くなっている”。そのことに気付いた時は本当にショックで、自分は、目先の症状の改善はできているし、患者さんにも良くなったと言ってもらっている。しかし「長期的に見たら、他の歯科医師と同じように壊してしまっているのではないか?」と思い、急に治療するのが怖くてたまらなくなりました。正しい咬合(かみ合わせ)がどういうものなのかが全くわからなかったのです・・・。
“恐ろしい気づき”があった後、咬み合わせについての理解を深めるために様々な成書や文献を読み、様々な大学の先生や講習会の先生に教えていただきました。しかし、どの話も「ピンとこない・抽象的であいまいな回答しか得られていない」と感じ、実践的に「こうすれば良いんだ!」という確信が持てませんでした。偉い先生、有名な先生方でも納得の答えを示せないなら「誰もがかみ合わせを理解しないまま治療をしているのか?・自分も自分なりになんとなくいい感じを目指すしかないのか?・それがはたして科学的なのか?・患者さんと共に自分自身をも満足させられる治療ができる日はいつか来るのだろうか?」などの不安に駆られ、学ぼうとすればするほど悩みが深刻になる日々が続きました。
そんなある日、大学病院の研修で、当時日本歯科大学高齢者歯科学講座教授だった稲葉 繁先生の講義を受ける機会がありました。その当時、私は、稲葉先生の事や日本のコーヌスの歴史的な負の部分について、なにも知りませんでした。
ドイツ留学でドイツの治療法を学びチュービンゲン大学で教鞭を執った稲葉先生は、本場の正しいコーヌステレスコープを日本に伝えている先生です。
講義内容は、ドイツと日本の保険制度の違いから始まり、コーヌスの話というよりはテレスコープシステムの話。そして咬合の話になりました。内容はどれも衝撃的で、特に、悩んでいた咬合(かみ合わせ)に関しては、“真っ暗な闇の中で遠くに小さな光が見えたような感覚”になりました。
『まずは、保険診療なのか自費診療かにとらわれることなく、その人にとって最善の医療は何なのかを常に考えなさい』さらには『常に最善の医療を提供できるように勉強しなさい』と教わりました。
『咬み合わせこそが“歯科医師が診るべきもの・歯科医師だけにわかるもの”なのに、世の中のほとんどの歯科医師が咬合学を“難しそうだ・わかりにくい”という理由で避けてしまっている。多くの歯医者は破壊者になっている』という講義を聴いて、あの時自分が感じた不安や恐怖を端的に言い表してくださったことにとても驚き「稲葉先生の元で真剣に学びたい」と強く思いました。あれから12年以上経ちますが、今でも昨日のことのように思い返します。それから・・・
感動の講義を受けてからすぐに、稲葉教授のスタディーグループIPSG(Interdisciplinary Practical Study Group)で研鑽を積む日々が始まりました。咬み合わせが歯科医療の基本で、歯周病だけでなく顎関節症や補綴の予後を左右することを理解しました。わかりやすく咬合を学び(実践できるようになるまでにはかなりの訓練が必要でしたが)自信を持って歯周病治療、顎関節症の治療やテレスコープシステムを行えるようになりました。
その後、一般の歯科医院でも経験を積もうと思って大学病院を辞めました。しかし、ほとんどの歯科医院が、質の評価のない保険診療の中で短時間に量をこなして最大限に売り上げを求めるスタイルです。場当たり的な治療に終始し、ひたすら削って詰めて再治療を繰り返しながら徐々に歯を失っていく、という状況でした。自分が目指す“十分な診査・診断をもとに最善の治療計画を立てるためにしっかりと患者さんと話し合う診療”は、皆無でした。IPSGで学び大学病院で実践していた診療と町の歯医者さんの治療が、あまりにもかけ離れていて、正直に言うと、そのあまりのギャップに悔し涙を流したこともあります。
いくつかの歯科医院で勤務医を経験した後、いとこが院長を務める歯科医院でお世話になりました。そこでは、ある程度自由にさせてもらい、開業に向けてよい経験をさせて頂きました。院長スタッフや私の話に耳を傾けてくれた患者さん皆様にとても感謝しています(遠方にもかかわらず、引き続き来院して頂いている皆様のお顔を拝見するたびにとても幸せな気持ちになります。いつもありがとうございます)。しかしというかやはり、
という思いが強くなって、あらやしき歯科医院を開院しました。
あらやしき歯科医院は、安心・安全で衛生的な環境を作るための設備、再現性の高い良い仕事を安定的に行うための道具や(病院らしくない)安心して落ち着ける家庭的な雰囲気の内装などなど。私が歯科医師になってから12年間にわたって勉強し経験してきた知識をもとに『自分だったらこんな歯科医院に通いたい!』という思いを実現しました。
かみ合わせ治療や予防補綴によって『大きな歯科治療は人生で一度きり』を目指し、その後、歯科衛生士の活躍によって『生涯にわたって歯と口腔から全身の健康を守っていく』ことを実践する歯科医院として歩んでいきたいと思います。日々是研鑽。一所懸命に努めてまいります。何卒よろしくお願いいたします。
1. 大学病院の医局員時代(知らぬが仏か?)
大学卒業後の進路を考えたとき、私は「長持ちする予後の良い歯科治療を行うためには、歯の土台となる歯周組織(歯肉や骨)をしっかりさせる必要がある」という結論を出しました。そこで、母校である明海大学歯学部の歯周病学講座に所属し、歯周病治療について深く学ぼうと決めました。
明海大学歯周病学講座(現 口腔生物再生医工学講座 歯周病学分野)では、歯科診療とともに論文の読み書きの仕方や資料のまとめ方など、生涯学習していくための姿勢や歯科医師としての基礎を学びました。
大学病院の歯周病科には、近隣の歯科医院からの紹介で重度歯周炎の患者さんがたくさん来院されます。そんな歯周病科で一年を過ごし、実践的に歯肉の炎症のコントロールについて理解が深まってきた頃、毎日たくさんのレントゲン写真を診て、症例検討会の資料を作成する日々を送る中で気づいたことがありました。
それは、“極端に骨が吸収してしまっている歯とほとんど骨が吸収していない歯が混在する”さらには、“過去に治療した経験のある歯ばかりが極端な骨の吸収を起こして歯周病の状態が悪くなっている、反面、治療経験のない歯の周囲の骨はほとんど悪くなっていない”ということでした。治療したからこそ、歯にかかる力のバランスがおかしくなり、極端に歯周病が進行してしまっている。そんな歯がたくさんある。つまり、治療行為によって異常な咬み合わせにしてしまった歯科医師によって病気が生み出され、進行してしまっているということです。“同じ歯ばかり再治療の繰り返しで、加速度的に病気が進行している・他の治療していない歯に比べて明らかに歯の寿命が短くなっている”。そのことに気付いた時は本当にショックで、自分は、目先の症状の改善はできているし、患者さんにも良くなったと言ってもらっている。しかし「長期的に見たら、他の歯科医師と同じように壊してしまっているのではないか?」と思い、急に治療するのが怖くてたまらなくなりました。正しい咬合(かみ合わせ)がどういうものなのかが全くわからなかったのです・・・。
2. 真の歯科医師人生の始まり(稲葉 繁先生との出会い)
“恐ろしい気づき”があった後、咬み合わせについての理解を深めるために様々な成書や文献を読み、様々な大学の先生や講習会の先生に教えていただきました。しかし、どの話も「ピンとこない・抽象的であいまいな回答しか得られていない」と感じ、実践的に「こうすれば良いんだ!」という確信が持てませんでした。偉い先生、有名な先生方でも納得の答えを示せないなら「誰もがかみ合わせを理解しないまま治療をしているのか?・自分も自分なりになんとなくいい感じを目指すしかないのか?・それがはたして科学的なのか?・患者さんと共に自分自身をも満足させられる治療ができる日はいつか来るのだろうか?」などの不安に駆られ、学ぼうとすればするほど悩みが深刻になる日々が続きました。
そんなある日、大学病院の研修で、当時日本歯科大学高齢者歯科学講座教授だった稲葉 繁先生の講義を受ける機会がありました。その当時、私は、稲葉先生の事や日本のコーヌスの歴史的な負の部分について、なにも知りませんでした。
ドイツ留学でドイツの治療法を学びチュービンゲン大学で教鞭を執った稲葉先生は、本場の正しいコーヌステレスコープを日本に伝えている先生です。
講義内容は、ドイツと日本の保険制度の違いから始まり、コーヌスの話というよりはテレスコープシステムの話。そして咬合の話になりました。内容はどれも衝撃的で、特に、悩んでいた咬合(かみ合わせ)に関しては、“真っ暗な闇の中で遠くに小さな光が見えたような感覚”になりました。
『まずは、保険診療なのか自費診療かにとらわれることなく、その人にとって最善の医療は何なのかを常に考えなさい』さらには『常に最善の医療を提供できるように勉強しなさい』と教わりました。
『咬み合わせこそが“歯科医師が診るべきもの・歯科医師だけにわかるもの”なのに、世の中のほとんどの歯科医師が咬合学を“難しそうだ・わかりにくい”という理由で避けてしまっている。多くの歯医者は破壊者になっている』という講義を聴いて、あの時自分が感じた不安や恐怖を端的に言い表してくださったことにとても驚き「稲葉先生の元で真剣に学びたい」と強く思いました。あれから12年以上経ちますが、今でも昨日のことのように思い返します。それから・・・
3. 確信を持って新しいステージへ(あらやしき歯科医院の決意)
感動の講義を受けてからすぐに、稲葉教授のスタディーグループIPSG(Interdisciplinary Practical Study Group)で研鑽を積む日々が始まりました。咬み合わせが歯科医療の基本で、歯周病だけでなく顎関節症や補綴の予後を左右することを理解しました。わかりやすく咬合を学び(実践できるようになるまでにはかなりの訓練が必要でしたが)自信を持って歯周病治療、顎関節症の治療やテレスコープシステムを行えるようになりました。
その後、一般の歯科医院でも経験を積もうと思って大学病院を辞めました。しかし、ほとんどの歯科医院が、質の評価のない保険診療の中で短時間に量をこなして最大限に売り上げを求めるスタイルです。場当たり的な治療に終始し、ひたすら削って詰めて再治療を繰り返しながら徐々に歯を失っていく、という状況でした。自分が目指す“十分な診査・診断をもとに最善の治療計画を立てるためにしっかりと患者さんと話し合う診療”は、皆無でした。IPSGで学び大学病院で実践していた診療と町の歯医者さんの治療が、あまりにもかけ離れていて、正直に言うと、そのあまりのギャップに悔し涙を流したこともあります。
いくつかの歯科医院で勤務医を経験した後、いとこが院長を務める歯科医院でお世話になりました。そこでは、ある程度自由にさせてもらい、開業に向けてよい経験をさせて頂きました。院長スタッフや私の話に耳を傾けてくれた患者さん皆様にとても感謝しています(遠方にもかかわらず、引き続き来院して頂いている皆様のお顔を拝見するたびにとても幸せな気持ちになります。いつもありがとうございます)。しかしというかやはり、
- 地元で社会に貢献したい
- この世を去る間際まで、大好きな美味しいものを何でも食べられる幸せな人生を広めたい
- 環境や設備などを含めて、本当に自分の目指す歯科医療を実現するには、自分の医院を築く必要がある
という思いが強くなって、あらやしき歯科医院を開院しました。
あらやしき歯科医院は、安心・安全で衛生的な環境を作るための設備、再現性の高い良い仕事を安定的に行うための道具や(病院らしくない)安心して落ち着ける家庭的な雰囲気の内装などなど。私が歯科医師になってから12年間にわたって勉強し経験してきた知識をもとに『自分だったらこんな歯科医院に通いたい!』という思いを実現しました。
かみ合わせ治療や予防補綴によって『大きな歯科治療は人生で一度きり』を目指し、その後、歯科衛生士の活躍によって『生涯にわたって歯と口腔から全身の健康を守っていく』ことを実践する歯科医院として歩んでいきたいと思います。日々是研鑽。一所懸命に努めてまいります。何卒よろしくお願いいたします。
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