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ブログ : コンセプト・その他: 2019年7月

日本総合口腔医療学会・第18回学術セミナーで根管治療について講義をしました

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人間と動物の歯科治療を比べられるユニークな学会である日本総合口腔医療学会。
2019年7月7日のセミナーは【動物歯科の臨床】シリーズ、
獣医師・獣看護師に向けての歯内療法(歯の根っこの中の管の治療)のセミナーでした。
 
ペットの歯周病も人間と同様に深刻で、治療のニーズが多いにもかかわらず、
現在の大学獣医科のカリキュラムには口腔・お口についての教育はありません。
 
前半は、私、嶋倉が
歯科医師が日常的に行っている【人間の歯内治療の基本】を考え方から、なるべく、感覚的なところまで、説明しました。
目では直接、見ることのできない場所の治療だからこそ、コンセプトを持って、イメージしながら、実際には、指先の感覚が大切になってきます。
 
後半は、とだ動物病院の戸田功先生が
動物病院で行われている実際の症例を中心に、丁寧に解説しました。
 
イヌもネコも歯を折ってしまうことがありますが、
 
イヌの場合、噛むことで、歯が折れてしまうことがあります。それも結構な割合です。
それも、人間がイメージする硬いものはもちろんですが、そこまで硬くないものでも、折れてしまいやすい歯があります。
それが、烈肉歯と呼ばれる、イヌの奥歯の中で一番大きい奥歯です。
 
人間の場合、歯が折れて、歯の中の神経がむき出しになってしまったら、、、
とんでもない激痛で、考えただけでも恐ろしいですが、耐えられないと思います。
 
ところがイヌは、幸か不幸か、痛みに強いためにあんまり痛がらないのです。そのままご飯を食べて、生活し続けてしまいます。
(ネコは顔をやたらと気にする仕草やご飯を食べないことで教えてくれるみたいです)
 
だから、気づかないままで時が流れてしまうようです。
また、残念なことに、獣医師でも、痛がらないから様子を見ましょう。という事になってしまうことが多いようです。
 
しかし、痛くないからと言って、放置していいはずがありません。
折れた歯から入ったバイ菌が、根っこの中を通って、歯根の先まで回っていきます。
さらにバイ菌が進行すると、膿の袋で顔が腫れあがり、頬に穴が開いて膿が垂れてきます。
飼い主さんは、ようやく気が付いて動物病院に行きますが、まさか、歯が折れていたなんて、、、(驚)
 
抜歯して、歯も多くの骨も失ってしまいます。
 
日ごろから
・飼い主さんに、硬いものを与えないように注意喚起してください。折れたり、歯が極端に擦り減ったり、歯髄が出てきてしまいます。
・診察の時は、ちょっと、歯の形が変わっているかも?と、口の中もよく見てあげてください。
・歯内治療を覚えたら、抜歯しないで済む、助けられる歯がたくさんあります。
 
大型犬の根っこの治療を行うには、人間用の器具ではできません。
今のところアメリカから手に入れるしかないそうです。
動物の歯科治療も当たり前になって、専用の治療器具が手に入りやすくなるといいですね。
 
根拠のある歯科治療が行えて
ペットの健康寿命を延ばして、ペットと飼い主さんの幸せを守っていけるように
歯科医師もお手伝いできたら幸いです。
 
貴重なお時間をありがとうございました。


 

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