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マスクでは防げない⁉_口呼吸の危険性と鼻呼吸への移行の重要性

専用器具を用いた口腔機能トレーニングのセミナー風景日本嚥下機能訓練協会JSTAあらやしき歯科医院嶋倉史剛粘膜免疫における粘液の重要性
粘液は、粘膜免疫の第一防衛線として、外部から侵入する病原体や異物を捕捉し、体内への侵入を防ぐ重要な役割を果たしています。
鼻腔や上気道の粘液には、次のような機能があります:
  • 病原体の捕捉と除去:ムチン(粘液の主要成分)が病原体を絡め取り、排除します。
  • 抗菌作用:粘液中に含まれる抗菌ペプチドや抗体(特にIgA)が感染を防ぎます。
  • 粘膜の保護:湿った環境を維持することで、粘膜が傷つくのを防ぎます。

口呼吸による粘液の喪失と健康リスク
口呼吸になると、口腔や上気道が乾燥し、粘液が失われやすくなります。これにより、以下の健康リスクが高まります:
  1. 上気道感染のリスク増加
    粘液が不足すると、病原体の捕捉能力が低下し、細菌やウイルスが直接上気道や肺に侵入しやすくなります。結果として、風邪やインフルエンザ、さらには気管支炎や肺炎などの感染症にかかりやすくなります。
  2. 粘膜の脆弱化
    粘膜が乾燥することで保護機能が弱まり、微細な傷や炎症が発生しやすくなります。
  3. 慢性的な乾燥感
    口呼吸による乾燥が続くと、慢性的な不快感や喉の痛みを引き起こし、日常生活の質が低下します。

鼻呼吸の重要性
  1. 粘液の保護維持
    鼻呼吸をすることで、鼻腔の粘液が湿度と温度を適切に調整し、粘膜を健康に保ちます。これにより、粘膜免疫が最大限に機能します。
  2. 異物除去の効率化
    鼻の粘液と鼻毛が、吸入した空気中のほこりや病原体をフィルターのように捕捉し、感染のリスクを軽減します。
  3. 酸素摂取の向上
    鼻呼吸により吸気が適切に湿らされ、体内の酸素吸収効率が向上します。

専用器具を用いた口腔トレーニングによる鼻呼吸への移行
口呼吸の習慣を改善し、鼻呼吸を定着させるためには、専用器具を用いた口腔トレーニングが有効です。
  1. トレーニングの目的
    • 舌や口周りの筋肉を鍛え、正しい舌の位置を定着させる。
    • 口を閉じた状態を自然に維持できるようにする。
  2. 具体的な効果
    • 鼻呼吸が習慣化し、粘液の保護機能が回復。
    • 乾燥による上気道感染のリスクが軽減。
  3. 健康全般への波及効果
    • 睡眠の質の向上(いびきや睡眠時無呼吸症候群の予防)。
    • 全身の免疫力強化とストレス軽減。

まとめ
口呼吸は粘液を失わせ、粘膜免疫を弱体化させることで、上気道感染や健康全般に悪影響を及ぼします。鼻呼吸は粘液の重要な役割を保護し、免疫力を向上させる鍵です。専用器具を用いた口腔トレーニングを取り入れることで、鼻呼吸を習慣化し、健康で快適な生活を送る第一歩を踏み出しましょう。
 


この記事を書いた人

嶋倉史剛

◆所属・資格
IPSG包括歯科医療研究会 副会長
日本嚥下機能訓練協会 理事
明海大学歯周病学分野同門会
日本総合口腔医療学会 副会長 口腔総合医認定医 常任理事
オーラルビューティーフード協会 理事
新東京歯科衛生士学校・日本医歯薬専門学校/非常勤講師
日本顎咬合学会 かみ合わせ認定医

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神奈川摂食嚥下リハビリテーション研究会 第20回記念大会 in 海老名

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神奈川摂食嚥下リハビリテーション研究会の講演に参加しました。

若林秀隆先生の「嚥下とADLだけを注目しがちだが、咬合・嚥下・栄養・ADLが重要。咬合支持がないと嚥下機能が低下する」という言葉が印象的でした。





1489308545572.jpg他の講演も自分には新鮮で興味深い内容でした。
終末期においても、認知症でも
「最後まで食べたい。(普段は口から栄養を摂取していない状況でも)
・訪問してくれた友人をもてなしたいから、ビールを一緒に。
・郷土料理をもう一度食べたい」
食べる事が生きること。という強い思いがある。
というお話もありました。
 
内容としては、食形態と食事支援の話がほとんどだったので、ここにIPSGの嚥下リハビリメソッドが加わったら、患者さんも医療従事者も楽になるだろうなぁ。と、感じました。
 
歯科医師による咀嚼機能回復・嚥下運動筋肉機能回復は、今後さらに重要であると実感しました。
そして、そのようなライフステージになる前から、普段から、口腔衛生・咀嚼機能維持・口腔周囲筋機能訓練をしっかりと習慣づけておくことが不可欠であると思います。

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 その後、海老名で評判の蕎麦屋さんに寄りました。天せいろ美味しかったです






食事をするときの体の働き-摂食・嚥下-

嚥下【えんげ】とは
 
食物を飲み下すこと。口腔内の食物塊を胃に送り込む運動を指します。
人が食事を摂るときは、
①    先行期:食物を視覚・触覚・嗅覚などで認識する
②    準備期:食物を噛み砕き(咀嚼【そしゃく】)、飲み込みやすくする(食塊形成)
③    口腔期:口の中(口腔【こうくう】)から咽頭【いんとう】へと食物塊を送り込む
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④    咽頭期:咽頭【いんとう】から食道へ
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気道には蓋がされて、この時だけ呼吸が止まる。気管や肺に食塊が入らないように
⑤    食道期:食道から胃へと食物を送り込む
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という過程を経ます。
この、一連の流れを「摂食・嚥下【えんげ】」といい、「嚥下」とは“飲み込む“ことを示しています。
 
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嚥下に関与する筋肉.jpg
常に当たり前のように行っている嚥下・飲み込む運動を普段は意識することはないと思いますが、不自由を感じていなくても、機能低下の兆候が見てとれる場合が多々あります。そして、自覚症状が出てしまってから機能回復を行うことは、とても困難を伴う道のりです。機能がしっかり保たれているうちから、症状が軽いうちから、悪くしないために、明るく楽しい元気な自分を守るために、口腔周囲筋の筋力トレーニングを行いましょう。








 

ピッタリとした入れ歯 -口腔周囲筋と義歯の安定-   神奈川 入れ歯専門歯科医院

入れ歯の維持と安定には、顎堤だけでなく、周囲の筋肉の支えが重要です。
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Strak Low 003a.jpg
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歯が無くなり、適切な入れ歯を使用しないと、顔の下半分が短くなり、唇が奥に引っ込み、口の周りがしわしわになって、いかにも年齢を感じさせる顔貌になります。
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口呼吸  -鼻呼吸で健康な毎日を送ろう-

口腔周囲筋が衰えると、舌圧低下・口輪筋の筋力低下によって口呼吸になりやすくなります。呼吸の仕方は健康に
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―鼻呼吸は口呼吸の3倍良質な酸素を取り入れることができる!と言われていますー
口呼吸になると、
唾液の乾燥、口腔内の乾燥と体内に取り込まれる酸素量の低下や空気の質の低下によってさまざまな症状が発生します。
・    口腔乾燥
・    外来細菌の侵入
・    歯肉炎、虫歯、口臭、口内炎
・    肺炎、風邪、咽頭炎、気管支炎咳、
・    いびき、無呼吸症候群
・    声が出ない、かすれ声になる、発音障害
・    免疫力低下、高血圧、腎臓疾患、喘息、鼻炎、アトピー
・    顎関節症、首や肩こり、猫背、腰痛
Etc...

ラビリントレーナーは、様々な症状の改善や予防にとても効果的です!
肺機能/最大換気量は、80歳で30歳の40%に低下します
 
ラビリントレーナーは
  •   MFT 筋機能療法のための訓練器具で口腔の不良習癖(舌突出癖、開口、発音障害)を改善させます
  •   鼻呼吸と嚥下を同時に訓練できる効果的なトレーニング器具です
  •   口腔周囲筋の筋力アップトレーニングを効率よくおこないます
 
高齢者は、トレーニングしなければ、筋力が低下して自然に口呼吸になっていってしまいます。若年者でも、「風邪ひきやすい」「風邪や咳が治りにくい」「歯並びが悪い」・・・という人は口呼吸になっている可能性が高いでしょう。
labilintrainer.jpg悩みが深刻になる前にトレーニング習慣を築きましょう。

本当の口腔リハビリ -介護とラビリントレーナー-

まだまだ世の中の認知度が低く、介護現場での評価も低く、歯科医師自体もその真の価値に気付いていない状況ですが・・・ラビリントレーナーによる口腔リハビリ・口腔周囲筋機能訓練は、人生の喜びを取り戻す奇跡の扉を開くカギとなる可能性を持っています。

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・介護予防と口腔周囲筋機能訓練
むせてしまう、飲み込みにくい、食べこぼす。といった現象に悩まされていませんか?
介護予防に重要なディコンディショニニングの改善に有効な運動療法として、ちょっとしたコツを習得し、あきらめないで継続することが重要です。

摂食・咀嚼・嚥下
むせてしまう、飲み込みにくい、食べこぼす・・・誤嚥や窒息を起こしてしまうかもしれない。だからといって全面介助下の食物摂取でも、自分のペースで食べられないので、さらに誤嚥や窒息の可能性が高くなってしまいます。いくら気をつけていても、いくら周りで人が見ていても、いつ事故が起こってもおかしくない状況です。また、経管栄養で口から食物を摂取しなくなっても、口腔内細菌は増殖し続けますし、口腔周囲筋の衰えによる唾液の不顕性誤嚥の確率が高くなり、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性は増加します。さらには、経管栄養・胃瘻になったとしても、消化管の入り口である口腔内の刺激がなければ、その先につながる胃や腸がきちんと機能しないことがわかっています。
口腔機能をリハビリで取り戻し、活力を取り戻してもらいましょう。積極的に事故の起こりにくい環境作りを目指しましょう。
その先の咀嚼機能を取り戻すには、設備の整った歯科医院でしっかりとした治療を受ける必要があります。

介護と歯科医師・歯科衛生士の役割
たとえ、経管栄養で口から食物を摂取しなくなっても、適切な口腔ケアがなされなければ、唾液分泌能力が低下して自浄作用が働かなくなっているお口の中の細菌が、どんどん増殖促進されます。口腔周囲筋が衰えていて、少量でも細菌たっぷりの唾液を誤嚥する確率が高くなり、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性がとても高くなってしまいます。
口腔内のバイオフィルム感染症に対する正しい知識を有し、適切な処置ができることや顎口腔系の解剖学・生理学と効果的な口腔周囲筋機能訓練を指導できることがとても重要です。つまり、介護現場での歯科医師・歯科衛生士の活躍が不可欠となります。
ラビリントレーナーを使った口腔周囲筋機能訓練は「嚥下に重要な筋肉に効率よく必要な負荷を与えて嚥下機能の回復を促進すること・刺激唾液の分泌によって自浄作用を高めること」によって、誤嚥性肺炎を予防します。口からの食物摂取を楽しむことが、なによりホメオスタシスを安定的に保ち、QOLを高めるために大切です。
QOL 002.jpg 脳細胞の活性化
脳血管障害によって「片側に麻痺がおこってしまった」というケースで、発音・嚥下機能や手指の動きなどの著しい改善が見られることがあります。
脳出血や脳こうそくなどの脳血管障害は、手足の運動障害・感覚障害・言語障害・咀嚼、嚥下障害・顔面麻痺などの症状が現れますが、発現した部位に問題があるのではなく、脳のそれらを司る部位に問題が生じているのです。発現した症状の原因は、あくまで脳なのです。
一般的にリハビリ訓練は、麻痺した末梢部(手や足)を動かして脳の活性化・機能回復を図ります。しかし、麻痺した手や足を動かすのは大変な苦痛や努力が必要な割に脳に入力される信号はとても弱いのです(末梢神経から脊髄神経への刺激がほとんどで、中枢神経への刺激は少ない)。
脳細胞を活性化するには、中枢神経に直接刺激を入力することが理想的な方法です。首から上の筋肉は、脳神経の直接支配を受けています。特に、表情筋・舌骨上筋群(脳神経 Ⅴ,Ⅶ,Ⅸ-Ⅻ)を鍛えることは、脳幹から大脳へと直接的な刺激が効率よく中枢へ伝わり、麻痺した機能を効率よく回復する可能性があります。
 
健常者でも年齢とともに脳の機能は低下していきます。幅広い年代の誰もが口腔周囲筋をトレーニングして脳の活性化をはかることができます。
 


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